計画書はお早めに!
本日も快晴
雲1つ無い青空で水の中に青い色の絵の具を落とした様な
青空が広がっていた。
「いってらっしゃい。頑張ってね!」
子供特有の元気な声と少女特有の高い声に
小さな手が元気良く繰られていた。
「行ってきます。火の元には気を付けてね」
声変わり前の高い声と遠慮がりに振り返される手に
見送る少女は笑顔で頷き相手が見えなくなるまで
見送り続けた。
「さて、今日は皆から借りた本を読むぞう!!」
青空を見上げながら背伸びし、気合の入った言葉を言うと
ガラスの自動ドアを潜り、エレベータの乗り込み部屋がある階の
ボタンを押し家へと戻っていった。
自室に入り、数冊の本を持ってリビングに置いてあるソファーに座ると
一冊一冊、題名と中身を確かめる様に素早くページを捲って
ダレから借りた本か確かめる。
「えっと・・・・・この本は水野君から借りた本で・・
コレが郭くん・・・・コレは翼さんでこの本は杉原君・・・・・・
どうしょう・・・どの本から読もう・・・・・」
先週、桜上水の練習が無い日に将とは買い物に行く
約束をしていた。
その前日、選抜の練習の時には買い物の時に
将はスポーツ専門店に行くと思い水野を将の相談役として
買い物に同行して貰える様に頼んだ。
もちろん、後を着けられた時のお礼も兼ねての誘いだったのだが
どうした事か待ち合わせ場所には選抜のメンバーが揃っており
皆で買い物に行く事になった。
その時に、
オススメの小説を持ってくるので是非読んで欲しい
と言われ、後日渡された本だった。
水野が貸してくれた本は前回が借りた小説のシリーズ
コレから読もうかなぁ・・・
悩みに悩んで決めた本の表紙を開き
数ページ読んでいると電話の着信を知らせる機械音が
部屋中に鳴り響いた。
は慌てて手に持っていた本にしおりを挟み
電話に駆け寄り受話器を耳に当て
「もしもし、風祭ですが」
相手に自分の存在を知らせる言葉を声に出すと
機会越しに落ち着きのある女性の声が聞こえた。
『西園寺と言う者ですがさんはご在宅でしょうか?』
「おはよう御座います西園寺監督。です」
『おはようちゃん。今良かったかしら?』
「はい。大丈夫です」
『実はちゃんにお願いがあるのだけども
ちゃん、今日1日開いてるかしら?』
「はい。予定はありませんが」
『良かったわぁ。じゃあ、今から飛葉中に来て貰えないかしら』
「飛葉中ですね。解りました」
『車に気を付けて来て頂戴ね』
「はい」
受話器を元の位置に戻すと、小走りに自室に入り
リュックに財布、ハンドタオル、筆記用具、を入れると
帽子を被り玄関でサンダルを履くと玄関を勢い良く飛び出して
エレベータに向うが玄関のカギを掛け忘れた事に気付き
走って玄関前に立ち、カギを閉める前に背負っていた
リュックの中身を確認し忘れ物がないと解るとカギを閉め
エレベータに乗り建物の外に出た。
目指すは、西園寺に言われた飛葉中
近くのバス停に向かい、丁度来たバスに乗り込んだ。
一番後ろの席の窓側に座り1つ1つ止まり客を乗せる
独特な雰囲気を持つ車内を愉しんでいると
目的地近くのバス停に近づく頃を見はかり停車を
知らせるボタンを押しバスを止めてもらい
バスから下り、じょじょにキツクなる日差しの中を
歩くと、学校特有の建物が目に入り
威厳のある字で彫られている飛葉中学校と
書かれている門を潜ると
目の前には校舎とグランドが広がっていた。
野球部やハンドボール部の邪魔にならない様に
注意をしながらグランドを歩るき約束をしている
西園寺の姿を探していると
赤いユニフォームを着た人物がに向って走って来た。
「、コッチ!」
声を掛けられクランド全体を見ていた視界は
名前を呼ぶ人物だけを捕らえると声の主が解り
安堵の笑顔で人物の名前を呼び返した。
「翼さん!」
「おはよう。玲に呼び出されたんだろ」
「おはよう御座います!はい。
翼さんは西園寺監督が何処に居るのかご存知なんですか?」
「愚問だね。玲は選抜の監督でもあるけど、この飛葉の
監督でもあるんだよ。だから、僕がを迎えに来たわけ。
それにしても、予想時間より早く着いたじゃん」
「電話を頂いた後、直ぐに出たら運良く直ぐにバスが来たので」
「なるほどね。玲が無茶させたんじゃないかと思ったけど
そうじゃなったんだ」
翼がの元に辿り着くとお互い挨拶を交わし
会話をしながら、気さほど翼が走って来た道を歩きだした。
「西園寺監督は無茶な事は言いませんよ」
「そうだと良いけど・・・・玲!連れて来たよ!!」
練習をしている少年達を見て指示を出していた
玲に翼が声をかけると、クランドを見ていた視線は
翼とを捕らえると微笑みなからその場に招き入れた。
「急に呼び出してしまってごめんなさいね」
申し訳なさそうに苦笑しながら謝ってくる玲に
「いえ、今日は何もする事が無くてどうしょうかと
思っていた所だったので、大丈夫です!」
は笑顔で言葉を返すと
「そう言ってくれると助かるわぁ。実はお願いがあるの。
実はこの前の練習の時に皆に渡さなければならない用紙が
有ったのだけども、うっかり渡し忘れてしまって・・・・・
それで皆が居る連取場に行って用紙を渡して来て欲しいのだけど
ちゃん出来るかしら?」
「はい。出来ます」
西園寺の説明を聞き、の中で出来るかどうか判断を
すると、出来るという考えに行き着き返事をすると
西園寺は微笑み大きな茶封筒をに手渡し
「この中に入っている紙を1人1枚渡して来て頂戴。
それと、各監督に了解のサインも貰ってきて欲しいの」
手渡された封筒の中に入っている紙を見
選手に渡す紙と監督にサインを貰う紙を見ると
は頷き
「解りました」
了解の意味を込めた言葉を言うと、西園寺の元を離れようと
すると
「 !コレは皆の学校名と場所が書いてあるから
コレを頼りにして行くと良いよ。それとコレは移動費
戻ってきた時にあまりを返してくれればいいから」
「はい!」
落さない様に翼から差し出された紙と封筒を手に取ると
背負っていたリュックに入れ
「行ってきます」
元気良く挨拶をするとお辞儀をすると
は玲と翼に背を向けバス亭に向って歩き出した。
「玲、渡し忘れたのはワザとだろ」
「あら、どうしてそんな事を聞くのかしら?」
「皆の反感を買う様な計画を立てて置き
文句を言うのを押さえる為にを使ったのに
良くそんな事が言えるね」
を見送りながらなされる会話に
翼は呆れ
玲は微笑んでいた
「皆、ちゃんには甘いみたいだから、
ちゃんが苦労して持ってきた紙を粗末に扱う事は
ないでしょうね。反対を言えば皆にとっては嬉しい計画なはずよ」
「確かに玲の言う通りだけど・・・・・」
「それにしても今日のちゃんの服装可愛かったわねぇ
迷彩のキャミにジィーンズ生地のロングスカートに
クリーム色のチュウリップハット。
お兄さんが選んだ服装かしら」
完全に話しを交わされ、溜息を付く翼を横目に
玲は笑いながら
「皆、予告もなしにちゃんが練習場に来たら
ビックリするでしょうねぇ」
そんな言葉を横で聞いていた翼は溜息を付き
が事故無く無事に帰ってくる事を祈りながら練習に戻って行った。